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耳鼻咽喉科かおる医院 お知らせ

院長ブログ

2021.05.31

耳鼻科と小児科について

今回は耳鼻咽喉科(以下:耳鼻科)と小児科について、私の考えをお伝えしたいと思います。

 

子どもたち、とくに乳幼児期の子どもは、かぜの原因となるウイルスや細菌(以下:バイ菌)に対する抵抗力(免疫)が未発達のため、大人と比べてよくかぜをひきます。ちょうどその時期に保育園に通い始める子どもさんも多く、お互いの咳や鼻水からバイ菌がうつる(感染する)ケースがほとんどだと思います。ただ繰り返しかぜをひくことで、やがて子どもたちの抵抗力が強まっていくことも事実で、それまで毎週のように受診していたお子さんがある時期からかぜをひかなくなり、受診しなくなる(私は“卒業”と呼んでます♪)ことも日々の診療の中で感じています。

 

そして、受診する子どもの親御さんから、『子どもがかぜをひいたとき、耳鼻科と小児科どちらを受診したらいいですか?』という質問を受けることがあります。私個人の率直な意見としては、『かぜ症状であればどちらでも構わない』とお伝えすることが多いと思います。

 

耳鼻咽喉科は文字通り、みみ・はな・のどの専門家ですので、こどものかぜ症状(鼻水・鼻づまり・咳・痰・喉痛)のほとんどを専門領域として日々診療しています。また大人と違って、こどもたちはかぜをきっかけに中耳炎になることが少なくありません。これは、成長発達段階における形態的な違いで、鼻やのどのバイ菌が耳につながる細い管(耳管)を通して、耳の中(中耳)に拡がりやすいためです。中耳炎の診療は耳鼻科が最も得意とする領域なので、狭い耳の穴の耳あかを取ったり、中耳炎がひどくお薬だけで治らない場合は、鼓膜切開や鼓膜に小さなチューブを入れる治療など、重症度に応じた治療法の選択が可能です。

一方小児科は、文字通り子どもの全身の病気を診察しますので、かぜ以外の病気(喘息や食物アレルギー、心臓病など持病をもつお子さんなど)を含めた、総合的な視点からの診療が可能だと思います。

 

話をまとめると、持病のないお子さんが鼻水・鼻づまり・咳・痰などかぜ症状がある場合は、普段よく受診するお近くの耳鼻科・小児科の先生に診てもらい、その上で中耳炎を繰り返す、鼻水や痰がらみの咳が長引く(副鼻腔炎/蓄膿症の可能性あり)場合は、耳鼻科への受診を考慮するとよいと思います。また、持病をもっているお子さんや、みみ・はな・のど以外の症状が続く場合は小児科への受診をお勧めします。

 

私自身は耳鼻科の専門医ですので、前述したみみ・はな・のどを中心とする診療を行っていますが、それ以外の症状のお子さんが来院された場合でも、できるだけ対応できるよう取り組んでいます。例えば、咳が続くお子さんのお胸を聴診することで、喘息の症状がないか、気管支に痰がからんでいないかなど、お薬の選択・変更に必要な情報が得られます。また、小児科の先生方(豊見城中央病院/友愛医療センター所属の先生や連携される小児科クリニックの先生)と定期的な勉強会を行うことで、耳鼻科と小児科の違いについて意見を出し合い、それぞれの考え方を共有することで、子どもたちがどちらの科を受診しても最善の医療を受けられるよう努めています♪

 

次回は、注意すべきお薬(抗生剤など)についてお話したいと思います。

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