今回は、当院の新型コロナウイルスに対する診療についてお伝えしたいと思います。
R3年4月現在、沖縄県も含む全国的なコロナ第4波が真っ只中の深刻な状況ですが、当院では昨年8月から、1F駐車場に仮設した発熱外来でコロナウイルス検査を中心とした診療を行っています。これまで100名近くのコロナウイルス陽性者を診断し、いち早い感染者の隔離措置と治療につなげ得たこと、迅速な診断で周囲への感染拡大防止に貢献できたことに一定の自負を感じています。
当院では、昨年12月に新型コロナウイルスに対する新しい遺伝子増幅検査機器(厚労省認定)を沖縄で初めて導入し、保健所から依頼される行政検査を含む保険診療や無症状者の自費検査を連日行っています。従来の遺伝子増幅検査(PCR検査)では結果判定まで1,2日程度かかることが多いですが、新機器では最短30分以内で診断が確定し、かつ従来のPCR検査と同等に高い精度であるため、無症状者も含めた早期診断に役立てています。
ここまで当院の発熱外来について説明してきましたが、逆に不安を感じられる方もいるかと思います。『発熱外来があるとコロナウイルス患者がいるから怖い…』という点です。
確かに、発熱外来で新型コロナウイルス検査を行うことで診断されるため、上記のような不安を感じる方がいるのは当然だと思います。ただ、もう少し説明します。新型コロナウイルスに感染した初期は、症状がないか軽いかぜ症状の方がほとんどで、どんな名医でも、検査しないとほとんど診断できないのが正直な印象です。つまり、誰が感染しているかを検査なしで見分けることはほぼ不可能です(濃厚接触者がかぜ症状を呈した場合は陽性率が高いです)。
そこでもう一度考えてみます。かぜ症状の方が受診する医療機関で、完全な隔離対応と迅速なコロナ検査ができる病院とそうでない病院では、万が一コロナウイルス感染者が受診した場合、他の方と接触するリスクやコロナ感染者の診断能力に大きな差が生じます。さらに、当院の発熱外来は屋外に設置しているため、院内での隔離対応よりも飛沫感染リスクが低く、我々スタッフの感染リスクも大きく軽減でき、より安全な感染防止対策となっています。
最近は沖縄でも感染力の高い変異株の拡大が確認され、多くの人がワクチン接種を終えるまでは、感染増加と緊急事態宣言による日常生活の制限がもうしばらく続きそうです。
一人ひとりが日々の感染対策を地道に続けながら、もし身近にコロナウイルス感染者がでた時(患者さんと接触した場合)や、発熱を伴うかぜ症状、急な嗅覚/味覚低下を感じた時は、ためらわずにコロナ検査を受けることをお勧めします。
早期検査⇒早期診断が周囲への感染拡大防止につながり、陰性診断で大きな安心を得られることは間違いありません。濃厚接触者の方や、カゼ症状があり医師が必要と判断した場合には検査費用の自己負担はありませんので、お気軽にご相談いただきたいと思います。